会社変更登記の概要
会社は一度設立した後も、商号(社名)を変えたり、引っ越しをしたり、役員が変わったりするたびに、
法務局にある「登記事項証明書(登記簿)」を書き換える手続きが必要になります。これを変更登記と
呼びます。
よくある変更登記の主な種類と実費(登録免許税)
| 変更する内容 | 登録免許税(実費) | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 役員の変更 (社長の交代、役員の就退任など) | 1万円 (資本金が1億円超の場合は3万円) | 役員の任期満了による「改選」時も、メンバーが変わっていなくても登記が必要です(役員変更登記の失念が一番多いトラブルです)。 |
| 本店の移転 (会社の引っ越し) | 3万円 または 6万円 | 管轄の法務局(例:東京法務局から横浜地方法務局など)をまたぐ引っ越しの場合は、新旧それぞれの法務局に3万円ずつ、計6万円かかります。 |
| 商号の変更 (社名の変更) | 3万円 | 社名が変わるため、会社実印の作り直しや再登録(印鑑届出)が必要になるケースがほとんどとなります。 |
| 目的の変更 (新事業の追加など) | 3万円 | 許認可が必要なビジネス(飲食、不動産、建設など)を始める場合は、その許認可の要件を満たす文言にする必要があります。 |
| 資本金の額の増加 (増資) | 増加した資本金の 1,000分の7 (最低3万円) | 外部から出資を受けたり、自己資金を追加して会社の資本金を増やす手続きです。 |
変更登記の全体的な流れ
会社の変更登記は、ただ書類を書いて出すだけでなく、「会社としての意思決定をしたエビデンス(証拠)」
を書類として添付する必要があります。
1.会社の意思決定(株主総会や取締役会)
法律や定款の定めに従って、変更内容を決定します。
例> 商号変更や目的変更なら「株主総会」を開いて特別決議。
例> 同じ市区町村内での本店移転なら「取締役会」(または取締役の過半数の合意)で決定。
2.変更の効力がスタートする
決議で定めた日(または決議当日)に、法的に変更の効力が発生します。実際に引っ越しをしたり、新しい
社名が有効になったりするタイミングです。
3.議事録や申請書の作成
法務局に提出するための書類一式を準備します。
- 株式会社変更登記申請書
- 株主総会議事録、株主リスト(決議があった証明)
- 取締役会議事録 または 取締役の互選書・同意書
- (役員就任の場合)就任承諾書や本人確認書類、印鑑証明書など
4.法務局への登記申請
必要書類を揃えて、本店の所在地を管轄する法務局へ申請します。窓口持参、郵送、またはマイナンバーカード
等を使ったオンライン申請が可能です。
会社法 第915条第1項 登記事項に変更が生じた場合、「変更があった日(効力発生日)から2週間以内」に本店
所在地において変更登記をしなければならない。
もしこの2週間を過ぎて放置してしまうと、「登記懈怠(とうきけたい)」となり、代表者個人に対して裁判所
から過料(前科にはならない実質的な罰金のようなもの)の通知が届くことがあります。数万円から、長期間
放置すると数十万円になることもあるため、変更が決まったらすぐに動くのが鉄則です。
過料の実態は、特に役員変更について、定款に記載された任期が経過していて、提出期限を悠に1年を超えている
場合には、過料の通知が届いているようです。
役員の任期は最長10年間に設定できるようになっています。役員の任期を10年に設定している会社については
登記懈怠による過料(3万円~10万円程度)が増大しているのが実態です。
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