会社設立の概要
会社設立(特に一般的な株式会社や合同会社)のプロセスは、大きく分けると「事前の準備」
「書類の作成・認証」「法務局への登記申請」の3つのフェーズに分かれます。
会社設立の全体スケジュール
1. 会社の基本事項を決める
まずは、以下のとおり会社の「骨組み」を決めます。
- 社名(商号)
〇〇株式会社など(前後に付ける位置も自由) - 事業目的
何をする会社なのか、将来行う予定の事業も含め作成します。事業目的を現す文言や配列など
気にする必要があります。 - 本店所在地
会社の所在地です。自宅やレンタルオフィスでも問題ありません。賃貸契約書などの使用権原
を証明する書面等の提出は不要です。 - 資本金
法的にては1円から設立することも可能ですが、実務上は初期費用や社会的信用を考慮して
100万〜300万円ほどでスタートするケースが多いです。 - 株主構成
会社に対して、誰が出資(資本金)するのか。個人でも法人でも、複数でも可 - 決算月
決算月(けっさんつき)とは、会社が「1年間の経営成績と財務状態をまとめて、区切りをつける
月」のことです。日本の会社は「3月」または「9月」を決算月にしているケースが多いです。
3月決算だと4月1日~3月31日の1年間が決算期となります。 - 役員構成: 取締役を誰にするか、代表取締役を誰にするのか、近年は1人取締役で設立するケース
が多いです。合同会社の場合、役員は業務執行役員と代表社員になります。こちらも1人業務執行
役員でも可能です。
2. 会社代表印等を作る
基本事項が決まったら、法務局に登録するための「会社代表者印(会社実印)」を印鑑屋さんやネット
通販等で作成します。銀行印や角印(社印)、社判もセットで作っておくと後々便利です。
銀行印は作らずに会社実印を兼用するケースも多いようです。角印は、見積書や請求書等に利用する
認印のようなものです。会社設立登記申請には、とりあえず会社代表印のみ使用します。
ネット通販で用意をすると、社判等の作成に時間がかかってしまい、会社代表印が手元に届くのが遅く
なって登記申請が遅れる理由となることがあります。
3. 定款(ていかん)の作成と認証
定款とは、いわば「会社の憲法」のような書類です。会社の基本事項を書面化したものです。
- 株式会社の場合
公証役場で公証人に「認証」してもらう必要があります。 - 合同会社の場合
定款の作成は必要ですが、公証役場での認証は不要です。
株式会社も合同会社も、紙で定款を作成すると収入印紙代が4万円かかります。「電子定款」(PDF)
にすると、4万円の収入印紙代を節約することができます。士業に依頼すると電子定款で作成しますの
で、少なくとも収入印紙代4万円の節約になります。
4. 資本金の払い込み
定款の作成(株式会社は認証)が完了したら、発起人(出資者)の個人の銀行口座に、出資する資本金
の総額を振り込みます。まだ会社の口座はないため、一旦個人名義の口座を使います。振り込んだこと
が分かる「通帳のコピー」や「取引明細」が証明書になり、法務局に提出します。
5. 登記申請(法務局)
設立登記申請書、定款、資本金の払込証明書、印鑑届出書などの必要書類を揃えて、本店の所在地を管轄
する法務局へ提出します。この申請を出した日が「会社の設立日(誕生日)」になります。
(土日祝日は法務局が休みのため提出日に指定できません。)
株式会社と合同会社、どっちがいいのか
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立費用(実費) | 約20万円~25万円 ※1 | 約6万円~10万円 ※2 |
| 社会的信用度・知名度 | 非常に高い (一般に広く認知されている) | 株式会社に比べるとまだ低いが、近年急増中 |
| 出資と経営の関係 | 所有(株主)と経営(取締役)が分離 | 出資者=経営者(全員が原則一丸となる形) |
| 決算公告の義務 | あり(毎年費用や手間がかかる) | なし |
| 向いているケース | 将来的に上場したい、外部から資金調達したい、大手企業と取引したい | 初期費用を抑えたい、身内だけで小さく始めたい、BtoC(個人向け)ビジネス |
※1 株式会社の設立費用(実費)の例
資本金(100万円未満) 登録免許税 15万円 + 定款認証費用(電子定款)3万円 = 18万円
資本金(100万円未満) 登録免許税 15万円 + 定款認証費用(電子定款)1.5万円 = 16.5万円
(発起人が自然人3以下、取締役会を設置しない場合は定款認証費用が1.5万円になります)
資本金(100万円以上300万円未満)
登録免許税 15万円 + 定款認証費用(電子定款)4万円 = 19万円
資本金(300万円以上) 登録免許税 15万円 + 定款認証費用(電子定款)5万円 = 20万円
>上記の実費に定款の謄本交付手数料(おおむね2,000円程度)がプラスされます。
※2 合同会社の設立費用(実費)の例
資本金(857万円未満) 登録免許税 6万円 + 定款費用(電子定款)0円 = 6万円
資本金(857万円未満) 登録免許税 6万円 + 定款認証費用(紙の定款)4万円 = 10万円
(紙の定款の場合、収入印紙代4万円がかかります)
登録免許税の計算方法
株式会社を設立する際の登録免許税は、「資本金の額 ×0.7%」または「15万円」のいずれか高い方の
金額になります。
合同会社を設立する際の登録免許税は、「資本金の額 ×0.7%」または「6万円」のいずれか高い方の
金額になります。
上記の実費に士業等の報酬を合計すると会社設立のトータル費用(概算)となります。
設立「後」に必要なこと
法務局に申請を出してから、実際に登記が完了(登記簿謄本が取れるようになる)するまで1週間〜2週間
ほどかかります。
無事に登記が完了した後は、以下のような手続きが待っています。
税務署や自治体への届出 法人設立届出書、青色申告の承認申請書など
年金事務所・ハローワークへの届出 社会保険や雇用保険の加入手続き
法人口座の開設 会社の謄本や印鑑証明書を持って銀行へ
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